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質の高いサポート体制が導入の決め手

統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験の「統計検定」。総務省、文部科学省の後援のもとに実施されている統計検定は、試験用紙(紙)を使った検定試験に加え、2016年8月より、統計検定の2級と3級がCBT方式による試験(コンピュータで実施する試験)でもはじまりました。
CBT導入の経緯やメリットなどについて、一般財団法人 統計質保証推進協会 事業委員会 委員を務める慶應義塾大学大学院教授の渡辺美智子氏にお話をうかがいました。

[お話をうかがった方]
慶應義塾大学 大学院 健康マネジメント研究科 教授
一般財団法人 統計質保証推進協会 事業委員会 委員
渡辺美智子氏

試験運営のコストや手間が予想以上にかかるという問題

————統計検定にCBT方式の試験を導入した経緯を教えてください。

統計検定は、2011年11月に第1回の試験を紙ベースで実施しました。当時の受験者数は、東京、大阪、福岡の3会場で計1,000人ほど。その後、統計に対する社会的ニーズの高まりやデータサイエンス・ブームなどもあり、受験者数が大幅に増加し、2015年には4,500人を超えました。

受験者数の増加は大変喜ばしいことですが、一方で、試験運営のコストや手間が予想以上にかかるという問題も出てきました。試験会場や試験監督の手配から合格認定証の発送まで、限られたスタッフですべてをこなすのが困難になり、試験問題の印刷代をはじめ、試験問題を各地の試験会場へ安全に届けるための輸送コストも大幅に上昇しました。私たちとしては、できるだけ試験問題を開発するほうに注力したいという思いもあり、“これ以上規模が大きくなったときに、どうやって運営していったらいいのか”ということを、外部委託も含め検討することになりました。

いくつかの委託業者に話を聞くなかで、CBT方式による試験運営の提案も出てきました。CBTについては、統計検定の発足当初から、ときどき議題にあがっていましたが、当時は、「システムを独自に開発しなければならないのか」「実際にCBTで試験を実施するために、どれくらいの問題数が要るのか」といった知識がまったくなかったので、あまり現実的に考えていませんでした。委託業者から説明を受けるなかで、CBTのシステム自体を委託可能なこと、そこが提携している試験会場が使用できることなどがわかってきました。そうしたかたちでのCBTの導入ならば、試験運営の負担軽減が見込めるだけでなく、開催地と開催日程が限られていたために今まで受験できなかった人たちへもアプローチできると考え、実現に向けて委員会で本格的な検討に入りました。

低コストで実装・運用できることが大事だが、「コストや手間がかからなければいい」ということではないジレンマ

————CBTシステムの委託を検討するうえで重視した点は?

統計検定は日本統計学会が中心になって開発・実施している検定のため、豊富な資金があるわけではありません。よって、まずは低コストで実装・運用できることが大事でした。特に、初期費用がかかる場合は、運営委員会の合意を得るのが難しくなります。

それから、CBT導入に伴う手間がどのくらいかかるのかも重要です。運営面はもちろんのこと、試験問題の作成・提出の仕方をどうするかも大事な要素でした。CBTで実施する試験問題を作成する際、文章だけの問題なら簡単ですが、統計の問題にはグラフや表、数式がたくさん入ってきます。そのグラフや数式をこちらで画像データとして作り直す必要があるのか、それともすべて委託できるのか。そこは非常に時間とコストがかかる部分なので、気になるところでした。

それからもう一つ重要だったのは、アセスメント(評価)のクオリティが保たれるのかという点です。統計検定は、日本統計学会が認定している検定ですので、紙での試験の合格者と同等のクオリティを保証できなければなりません。ただ単に、コストや手間がかからなければいいということではないのです。

導入の決め手は、条件をすべて満たしてくれたこと

————いくつかあるCBT委託サービスのなかからOdyssey CBTを採用された理由は?

Odyssey CBTが、先に触れた条件をすべて満たしてくれたからです。まず、低コストでの運用が可能だったこと。なかでも、年間受験者の見込み数から特別に初期費用を無料にしていただいたのは魅力的でした。 また、CBT導入に伴う手間がかからないことも大きかったですね。運営面では、受験の申込みから合格認定証の送付まですべてやってもらえるので、こちらですることはほとんどありません。心配していた試験問題の提出方法についても、WordやExcelで作った問題をそのままお渡しするだけでよく、グラフの画像作成などは全部やっていただけることになりました。

そして最も大きな決め手になったのがアセスメント(評価)のクオリティ面です。実際にOdyssey CBT で受験できる試験会場を見学に行った際、必要な物以外は持ち込みができないこと、問題を持ち帰れないこと、受験の前に問題を外に漏らさないという誓約を交わすこと、試験会場がそういったことに慣れていて、スムーズに試験が実施されていることなどを確認しました。オデッセイ コミュニケーションズさんには、MOSをはじめとした多くのCBT試験の実績がありますので、それぞれの資格試験や検定のニーズに合わせた、きめ細かい対応と質の高いサポートが受けられると感じました。そういう面では、実際に試験会場に行ってみてとても安心感を覚えました。

こうしてOdyssey CBTの導入を決定し、試験問題の作成に着手。コンピュータ上での見え方のチェックなどを経て、2016年4月に2級、3級のベータ試験を実施。そして、2016年8月から正式にCBT方式の「統計検定」をスタートしました。

自分たちが考えつかなかったようなサポートも

————実際にCBTの運用を始めてみていかがでしたか?

紙の試験もCBTも同様ですが、実際に試験を実施するなかでは、電車の遅延をはじめとしたさまざまなイレギュラーなことが発生します。そうした場合でも、Odyssey CBTの試験会場には統一したルールが設けられており、受験者に不利益が生じないようにとてもスムーズに対応していただけるので感心しました。万一、何か人的ミスが起きた場合でも、受験者にどう対処したかも含めて迅速に報告してもらえます。

また、障がいのある方が受験された際にも、受け入れ体制がしっかり整っていて、問題なく対応していただきましたので、実際に合格者が生まれた際には感動しました。このように受験できる方が広がり、今まで自分たちが考えつかなかったようなサポートをしていただいていることに感謝しています。

2018年6月現在、CBT試験を実施しているのは2級と3級のみですが、こうした成果も踏まえ、今後はCBTで受けられる試験を増やしていきたいと思っています。具体的には、4級と統計調査士のCBT化を予定しており、すでに試験問題の作成作業が進んでいます。そのほかの試験でも、マークシートで解答しているような問題に関しては徐々にCBT化していきたいと考えています。

統計検定ロゴ

統計検定

統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験。統計教育の拡充や人材育成を目的に一般財団法人統計質保証推進協会が実施し、一般社団法人日本統計学会が資格を認定。中高生・大学生・職業人を対象に、各レベルに応じて体系的に国際通用性のある統計活用能力を評価している。試験の種別には、統計検定(1級、準1級、2級、3級、4級)、統計調査士、専門統計調査士がある。総務省、文部科学省の後援事業として承認されている。

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